カテゴリ:都市計画( 5 )

臼杵市に行ってきました。(レポート)

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大分県臼杵の航空写真
現在人口が約40000人、農業、漁業、造船業、醸造業などが盛んとのこと。
写真の中央付近の森のように見える場所が、1500年代末の戦国時代には臼杵湾に浮かぶ丹生島であり、
その島の上に大友宗麟が臼杵城を築城し、その場所が現在も城跡として残っている。

そして、臼杵の町は、臼杵城の城下町で、江戸時代初期の古絵図にある町割りがそのまま町並みとして残っている場所だそうです。( 地図 市の観光案内より)
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城下町の図 ( 市の観光案内より)

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昭和60年代より、歴史環境保全事業等として様々な景観に対する取り組みをされてきた場所であるが、
今年の5月に、新たに景観条例に切り替え、各エリア分けを再度明解にし、さらにその中に重点地区を敷いた。上のパンフレットは以下で見る事ができます。

市の景観政策掲載サイト


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今回参加した全国交流会分科会では、どのようにして古い町並みを保全活用していくかが議題となりました。
細街路の取り扱いの問題、防火準防火エリアにおける古い建物の運用の問題、活用する際の用途変更と現行法遡及の問題など、おそらく全国の古い町並みを残す地域は同じ様な問題を抱えています。
それらに対してどのようにすれば、より良い町並みを継承しながら活性化できるのでしょうか。

各地から来られたパネリストの方々と話を進めていくと、大きな方向性は見えてきた気がします。

結局のところ、これからの日本は少子高齢化社会に間違いなく進んでいく、その時に、今までスプロール(拡大)しつづけてきた都市は、拡大する必要が無くなり旧市街地にも空き家が増えていく。
そういった時に、現在の建物に関する基準を改めてみ直すと、これらは戦後の大量生産時に最低限度の守るべき安全基準を定めたものだったことから、それ以前から建てられている建物や町に対して、適応する必要があるだろうかということ。
また、火災発生後の被害の連鎖を恐れた防災基準によって、現在木造の古い建物を活用しづらくなっている。
いま、京都の中心部でも空家の数が増えている。
パネリスト曰く、現在の社会問題は火災よりも、空家によるコミュニティの欠落や独居老人の孤独死、福祉の心配などにある。つまり、社会的な最優先課題が確実に変化している。
にもかかわらず、戦後から続くさまざまな基準により、既存建物の利活用ができないのであればそれこそその基準を見直さなくてはならない。

そんな中、現在は国家戦略特区というものが進んでいる。
参考事例:奈良 
少し遅かったのかも知れないけれど、ようやく国の規制緩和が動き出したようです。
結局のところ、これからどんな町を作っていきたいのかが一番重要なこと、
人がいない景観保存地区なんて全く意味が無いという過去の反省からだろうか、これから既存の基準は変化の過渡期にあるようです。

その点では、今回の臼杵の旧市街での取り組みは、感覚的にですが、人の気配のする良い町並みになっている気がしました。
古いものと新しい試みの混在模様が、誰かしら個人の意思が垣間見えた様な気がして、心地よかったです。

これから、各地で進められるであろう特区構想。
基準を緩和するからには、その方向性の共有化を図る為に、たくさんの議論をし始めるのでしょう。

いよいよ面白くなってきました。

一体何を継承したいのか、何に魅力を感じるのか、何を誇りに思うのか、、、各自が意識的になるほど、個性のある、人気(ひとけ)のある街づくりができるのだと思います。

それにしても、ここは地形の面白い町でした。
おそらく、等高線(海抜)と共に地図を観るとわかりやすいです。
かつて海が入りこんでいた時代に、陸地であったところを選んで散歩をしました。
すると、石垣や敷石に使われた臼杵石が、一段と古い場所に出合います。
約400年前の地形に想いを馳せながら現存する石垣と小道を進む体験は、過去と現在が多層化して、ふと、数年前にイタリアのローマを歩いた時のことを思い出しました。
各時代の織りなすこの立体感は、古い町の大きな魅力です。


とりいそぎ 忘れないうちに覚書 
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by machinamiproject | 2013-11-18 23:42 | 都市計画 | Comments(0)

メモ

密集市街地の開発や改善に関する事例や法律をしらなくては。

世界各地で同じように開発してきたのなら、良い例や悪い例があるにちがいない。


http://web.kyoto-inet.or.jp/org/gakugei/judi/semina/s9805/index.htm#Mmi006
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by machinamiproject | 2012-06-24 22:26 | 都市計画 | Comments(0)

その後

国の法律にのっとっての事業。
今年でちょうど築百年の立派な町家を壊す理由は、緑地造成で説明できるのでしょうか。


事業内容こちら



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by machinamiproject | 2012-05-30 21:53 | 都市計画 | Comments(0)

フランスの景観政策 2

前回に引き続き フランスパリ市の都市政策を考える。

ZAC(協議整備地域)について松本氏のレクチャーをお聞きしてから、もうひとつ気になる事。

フランスの各種都市政策を一度きちんと勉強したいと思うのですが、
今とっても興味のあることは、国の保全対象とまでならない日常の景観をどのように守れるのかという事。
それがフランスには都市計画で出来る仕組みがあるようです。

地方自治体が独自の規制をつくれる特別土地占用プラン(pos particulier)というものがある。
1970年代以降にパリの都市計画では各地域の均質空間化の恐れが出て来たのを受け、
各地域の特殊性を活かした都市計画が要請されたそうです。

そこで都市計画として誰よりも先に建築物の用途の面積優遇、高さ規制等を整備し、商業・産業の保護により、夜間人口の確保、産業振興までも念頭に入れた計画がつくられた。それにより自ずとその地域が理想的な界隈空間になっていくというように制限という概念よりは誘致、優遇措置のような計画を行ったようです。
この時の都市計画の細かな仕方はとても参考になるはずで、これからきちんと資料を読んでいきたいと思います。


とにかく今回一番大事だと思ったことは、国の保護する景観や建物と、それではまかないきれないものがあるという事実をきちんと把握しなくてはいけないということ。

日常の風景で後世に残したいものは本当にたくさんあります。
何気ないもの。それをもう少し丁寧に認識していきたい。
それにはその土地での歴史、産業についても読み解いた上で、今後その場所をどのように再生させるか、それまでの産業の維持をどのようにすればいいかまで含めての考えなくてはいけないでしょう。

フランスの景観制度の本によく 「valorisation」という言葉が出てきます。
直訳すると価値付け(再価値化)といった具合でしょうか。
景観を保持しながら一番大事なことは、その場所が活性化すること、価値が高まり、再生することでしょう。
その為には産業からもういちど読み解いていかなくてはいけません。

京都で言うと、清水焼が盛んだった東山周辺、織物の町西陣、材木町等々幸い地名としても今なお残っているのですから、その街のアクティビティと建物、景観を一緒に考えた上での景観保全だと思います。
建物のタイポロジーだけでなく、その界隈のタイポロジーを考える。

そういうと、京都も有志でGrand kyotoを作るべきですよね。

2030年の京都。
先ずは現状のリサーチを大々的にやるべきだと思います。
市バスの支出入、京都市のCO2排出量、ゴミの焼却量、各産業のパーセンテージ、税金の割合、人口密度、様々なデータがすぐに出てくるはずです。
Grand parisに見習うべきはまずそのリサーチの規模と市民への公開と問題共有のやり方ではないでしょうか。

とはいえ、今年に30年後の京都を考えるパブリックコメントは受け付けていました。
リサーチを大々的に公開もしていないのでいきなりコメントをといわれてもそもそも現状の問題がどこにあるのかがわからない。

話が飛ぶけれど、現在の京都会館の問題も同じような構図です。
現在の何が悪いのか。今どれだけの赤字でそれに対していままでにどのような努力をしてきたのか。

公共事業の進め方もこの国はまだまだ検討すべきだと思います。


参考文献:「鳥海基樹氏 パリ市の特別土地占用プラン の項」

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by machinamiproject | 2011-10-09 23:31 | 都市計画 | Comments(0)

フランスの景観政策

先日、RADのトークイベントに行ってまいりました。

「建築/都市における制度と自由・・・フランスの都市政策から」
というトークイベントで、大阪産業大の松本先生のお話を聞きました。
数多くある都市政策の中のとりわけZAC(Zone D'aménagement Concerté)「協議整備地区」というエリア内での都市計画の制度と運用のお話を伺いました。

様々な景観規制を作ってきたフランスですが、このZACというのは開発地域に設け都市整備がスムーズに行われるように特区化する制度のようです。
このZACの区域が制定されるとそれ以前にその地域にかかっていた都市計画は外され、ZAC用の区域整備計画が実施されようですが、その賛否もあるようです。
そうしてアーキテクトコーディネータが選出され、
マスタープラン作成に入り、ゾーニング、軸、建物ボリュームまでも決めていくそうです。(この選出のされ方が不明な点だったのですが、この建築家は特別な建築家ではなく、どの建築家も成りうるそう)
その頃に住人(市民?どこまでの人なのだろうか)に情報公開をしながら意見交換を開始し、マスタープランに住民の意見が盛り込まれるとこのこと。
そうして地域内の建築物の全体計画をした後にコンペを行いそれぞれの建物設計をする建築家を選び、個別の建築家はアーキテクトコーディネータと協議をしながら設計を行う。
その時に個別の建築家はそれほどの不自由さは感じないという声もあるそうです。

このZACという開発地域内におけるマスターアーキテクトと個々の建築家の関係性や、
公共事業を進め方の中での住民参加のタイミングが今回のレクチャーでの関心ごとでした。
いち建築家が都市計画に携わり、住民も行政もその建築家の存在が必要だとしている状況に驚きます。建築家の役割がとても重要とされる社会に思いを馳せながら、この日本で今どうすればとの議題へ。
松本氏の「結局、一つ一つの小さなプロジェクトを丁寧に行う事が大事なんじゃないか」との言葉が大変興味深かったです。大きな都市計画の話と小さな設計作業、その二つが最後に釣合ったようで素敵な言葉でした。

それにしても、ZACという特別地域とそれ以外の地域の関係性やその制度が国の制度なのか市町村の制度なのかといった事についても気になります。事業を資金面で進める第3セクター的アソシエーションが存在するともおっしゃってました。

もう少し調べてみます。


レクチャーの後半はGrand Paris プロジェクトのお話だったのでそのプロジェクトの案内だけ以下に記します。

2009年のパリシャイヨー宮での展覧会の様子。
パリ市(?)は2030年の都市はどのようにあるべきかを10人の建築家に提出させました。

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エントランスの床には航空写真が。
美しい田園風景に足を踏み入れます。

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まず最初に大統領の一言。

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それぞれの建築家が個別のブースになっていて計画(というかほぼリサーチ)のプレゼンをしていました。

Grand Paris」の展覧会風景 2009
在日フランス大使館HPによる解説

また、ネット上でフランスの景観制作について検索をすると、様々な方の論文も出てきました。
日本の国交省の関係者も公共事業と住民参加について諸外国の事例を調べてるようです。
以下参考HP 最後の方の住民への情報公開のタイミングの考察が興味深い。
アムステルダムなんかはもっと早期だったように思います。

http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk20.pdf#search='ZAC
住民の合意形成の円滑化に関する研究
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by machinamiproject | 2011-10-09 04:09 | 都市計画 | Comments(0)


町並・景観についての意見交換・勉強したものを公開します


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